赤塚不二夫・永井憲一さんの『「日本国憲法」なのだ』を読んだ

amamu2013-07-05

 30年前の1983年に発行された初版の改定新版『「日本国憲法」なのだ!』を読んだ。
 赤塚不二夫さんは俺が小学生時代に爆発的に読まれていた漫画家の一人。手塚治虫さんをはじめ、寺田ヒロオ藤子不二雄石森章太郎ら、トキワ荘住人の一人でもある。後年、タモリ氏との交遊でも知られる。
 「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」「もーれつア太郎」「天才バカボン」。赤塚不二夫さんはギャグ漫画で知られるが、「むかし”満州”といわれた中国・東北の奉天瀋陽)から、母親の手を握りしめて三人の妹・弟と日本に引き揚げてきた。母の実家にたどりついて三十分後、赤ん坊だった下の妹が息を引き取った。赤塚不二夫の戦後の出発点はここにある」(石子順)という箇所や、対談で、赤塚さん自身による父親と母親の話が面白かった。
 赤塚不二夫は、「初対面の時に手塚治虫から『漫画家になりたいなら、一流の映画を見て、一流の音楽を聞き、一流の本を読みなさい』といわれた」らしい。「手塚治虫が生涯のテーマとした生命を大切にという主張も、赤塚流の笑いの中にもりこまれている」という。
 赤塚マンガの大ファンということではないが、赤塚漫画は、俺の周囲に普通にあった。俺の子ども時代は、こうした大人たちによって守られていたのだと感じてならない。