「ぼくも原発に反対です」(手塚治虫)

鉄腕アトム

 10月23日の朝日新聞夕刊の「原発とメディア」に「偽アトム」の話が載っていた。
鉄腕アトム よみがえるジャングルの歌声」という漫画冊子が1978年3月に発行されたが、これは手塚治虫さんが描いたものではなく、漫画社という「国や企業などの依頼を受けて漫画による解説本などを作っていた会社」が製作したものだという。そして、その内容は、『アフリカの動物たちが「原発をつくりたい」とアトムを頼って日本にやってくる。アトムは原発の仕組みを教え、アフリカで無事に完成。その後、大地震がアフリカを襲い、津波も押し寄せたが、原発はびくともしなかった』というものだそうだ。
 手塚治虫のもとには、『電力業界から「アトムを原発のPRに使いたい」との依頼が時々あった』そうだ。さもありなん。「だが、反原発を明言していた手塚は、すべて断っていた」と記事は紹介している。
 朝日新聞の記事は、最後のほうで、手塚治虫さんの「ガラスの地球を救え」というエッセー集を紹介し、「アトムの哀しみ」という章を引用している。
 たしか俺もこの本「ガラスの地球を救え」は読んだはずだが、はっきり覚えていない。
 孫引きで恐縮だが、記事によると、手塚治虫さんは『「鉄腕アトム」が科学による繁栄を幸福に描いた漫画と誤解されることに「迷惑している」と切り出し、こう続けた』という。

 ひたすら進歩のみをめざして突っ走る科学技術が、どんなに深い亀裂や歪みを社会にもたらし、差別を生み、人間や生命あるものを無残に傷つけていくかをも描いたつもりです(手塚治虫


 さすが、手塚治虫さんである。