スコットランドの独立問題がBBCなど海外のメディアに載っていた。
歴史的に英語がこれほど世界を席巻しているということは、まずは国内問題として、アングロサクソンが先住民族を征服する過程ということになるが、イングランド(England)は、1536年にウェールズを、1707年にスコットランドを、1801年にアイルランドを「併合」した歴史的事実がある。「併合法」(Act of Union)とは、同化政策に他ならないのだが、こうして「連合王国」(United Kingdom)が誕生することになる。
日本では、呼称として「イギリス」を使うことが多いが、その意味するところは、曖昧なことが少なくない。
たとえばイングランドは、イギリスの重要な構成部分であるが、イングランドだけをもってイギリスということを意味するには無理がある。つまり、イングランドはイングランドなのである。
したがって、私たちは、England, Wales, Scotland, Northern Ireland, Great Britain, U.K.などの用語の使い方に注意しなければならない*1。
イングランドのロンドン(London)と、スコットランドのエジンバラ(Edinburgh)は、私には宿敵というイメージがある。
スコットランドの言語は、スコットランド・ゲール語ということになる。スコッチウィスキーのシングルモルトに、イングランド語のような響きや綴りが少ないのは、銘柄の名称がゲール語によるためである。このアイルランドにしろ、スコットランドにしろ、ゲール語はイングランド語に弾圧された歴史をもっている。
こうして歴史的に、イングランドからすれば、スコットランドはキルトを着用する野蛮な民族ということになる。
スコットランドは、もちろん、キルトやバグパイプ、スコットランドの言語や文化に誇りをもっている。俳優業は引退したが、あのショーン・コネリー(Sean Connery)も、スコットランド独立に賛成の俳優として知られている。
そのスコットランドの独立をめぐって、2014年に投票があると、BBCなどのメディアをにぎわしている。
*1:この辺の事情は、「英語はどんな言語か」等の中村敬氏の著作が役に立つ。