「特定秘密保護法案」を特集したTBSの「報道特集」

 TBSテレビ報道特集キャスター・金平茂紀氏がかかわっている今晩のTBSの報道特集は、「特定秘密保護法案」についてであった。
 あまりテレビは見ないのだが、この番組は時期にかなった大変良い番組であった。
 中でも、「原発ホワイトアウト」を書かれた若杉洌氏へのインタビューが眼をひいた。若杉洌氏の観察によれば、若杉氏が所属している同僚の官僚たちの中の1割くらいの人間が国民はバカだ、情報開示なんてできないと考えているという。そうした1割の人間に巻き込まれているのが8割くらいの官僚で、ごくまともな官僚は1割程度という観察がたいへん参考になった。
 原発と秘密保護法案の関係でも、東北エンタープライズの名嘉幸照(なか・ゆきてる)氏に対する取材。原子力資料情報室・伴英幸氏に対する取材。
 韓国でも同じような内容の秘密保護に関する法案を廃案にした反対運動に参加していた市民活動家が、韓国で出された内容と同じような内容の「特定秘密保護法案」が今回日本の参議院で通過したということに心底驚いた。そう語っていた。
 サンフランシスコのAT&T。6階の641Aの部屋で何をやっていたのかという取材も説得力があった。
 たいへんよい番組であったが、あえて言えば、この程度の番組でも、制作者たちは報道しようとする意欲と、報道することに対して大変勇気が必要だったことだろう。デスクの判断も勇気が必要だったことだろう。
 それくらい現在の日本は危機的状況にある。
 時間的に忙しく、これまであまりしたことはないのだが、TBSの制作者の方々に評価と感想を伝えたいと思った。