「吉田照美氏「衆院選は安倍政権の5年を考え投票を」」

 以下、日刊スポーツデジタル版[2017年10月17日5時2分]より。

 安倍晋三首相(63)に「大義なき解散」と批判が集まった、9月28日の衆議院解散から3週間。小池百合子東京都知事(65)率いる希望の党が旋風を起こしているが、民進党は分裂し、衆院選は混乱の度を深める。文化放送伊東四朗吉田照美 親父熱愛」(土曜午後3時)のMCを務め、日本の政治や社会に鋭い視線を向けてきた吉田照美氏(66)が、揺れる衆院選を鋭く斬った。

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 有権者の皆さん、そもそも、今回の衆院選の元となった解散が、どういう言われ方をしていたか、覚えていますか?

 「大義なき解散」

 国民の7割くらいの人が、その通りだと思ったのではないでしょうか? 自民、公明だけでも、かなりの議員を保有していたのを手放してまで選挙をやるというのは、それなりの大義がなきゃおかしい。みなさん、不可解だったと思うんですが、結局は政権が森友学園加計学園問題を隠そうという…そのための解散だと、大概の人は思っていたと思うんです。

 そこに、小池さんが希望の党を立ち上げて国政に…という動きで、まずはすごい風が吹いた。都議選で、あれだけの風が吹いたわけだから、小池さんもかなり自分に自信をお持ちだったと思う。瞬間風速はすごいものがあって、あのままいけば小池さんを頭に、野党共闘みたいなものが起こるのかな、という雰囲気だった。

 それが、民進党前原誠司代表(55)が急に動き始めて結局、合流。合流なら全員が…と受け止めていたと思うけれど、小池さんは民進党をまるごと合流、という気はサラサラなくて、政策面で合わない人は排除するとおっしゃった。“踏み絵”をやったのは、小池さんって、かなり民主的じゃないな、というイメージを国民に強烈に、激しく感じさせた流れになったと思うんですよね。

 やっぱり、排除するという言葉は、非常に独裁的なにおいがする。民進党の人たちに向けた言葉であるにもかかわらず、結局は国民にも向けたように受け取られたのでは…僕も、そう感じました。天下を取ってからだったら、そういうことを言われちゃっても、そういう人だったんだとガッカリ感が生まれる。でも天下を取ったかのような言動が、ちょっとイメージと違っちゃったかな、という思いが響いちゃって…というところではないでしょうか。

 今回の衆院選は、安倍政権の5年間に対する審判のはずですよね。結局、大義じゃない形で、600億円ものお金を使って衆院選をする。“無駄遣い”という思いが若干、世間にもあるわけじゃないですか。

 安倍政権にイエスかノーかの審判を下す選挙であったはずなんだけど…小池さんと前原さんが場を荒らしてしまったということですよね。安倍政権の審判よりも、小池さんに対する審判も既に下っちゃったかのような雰囲気になって、雲行きが分からなくなった。このままいくと自公の大勝…というメディアの報道も、やっていいのか? と思う。一部で、安倍政権の支持率が3割台の一方で、不支持率が4割台という報道があった。それで自公大勝という結果は、どう考えてもふに落ちない。

 有権者の皆さんには、あらためて考えて欲しいんです。5年間の安倍政治が、我々の市民生活に、何をしてくれたのかを。こんなにいいことがあったというのを、まず挙げてみる。挙がらなかったら、やっぱりおきゅうを据えなきゃいけないと思う。つまり自分の生活が、どれだけこの5年間で良くなったのかというのを全部、いろいろ考えてみればいいわけです。あまりないんだったら、政権を変えればいいんですよ。次の政権がダメだったら、おきゅうを据えて、また変えればいいじゃないですか。

 小池さんの動きで、選挙は確かに面白くなったと思う…でも、小池さんがアンチ自公として出て、自公VS小池になれば、もっと面白かったし、分かりやすくなったはず。小池さんは希望の党自民党の大連立はないと言ったけれど、一時は連立の可能性も報じられていた。希望の党が、保守の補完勢力でしかないことが見えてしまった結果、国民にとっては、小池さんと前原さんという“邪魔な役者”が出てきて、衆院選の争点が見えにくくなっちゃったと言えるでしょう。

 それで「分かりにくいから、選挙にいかない」というのが1番、マズいと思うんです。今こそ、僕ら国民1人1人が、安倍政権の何が我々にとって良かったのか悪かったのか、もう1回、解散を宣誓したあたりに戻って考える時だと思うんです。そうすれば、非常に分かりやすく結論が出ると思うんですよ。

 22日の投開票日まで、あとわずか…。吉田氏は今こそ市民生活と直結している選挙、政治を考える時だと強調する。【聞き手=村上幸将】