国民の要求とかい離した安倍政治の抱える矛盾は解消せず、矛盾は拡大し、批判も強まるだろう

 こうしてみると、選挙後も、国民の要求とかい離した安倍政治の抱える矛盾は全く解消せず、矛盾は拡大し、批判もさらに強まることだろう。安倍政権は盤石とはいえない。安倍政権は案外もろいとすらいえるのではないか。

 なぜか。
 第一に、安倍政治のもつ反文化性・反言語性である。
 「ていねいに」「愚直に」「謙虚に」「真摯に」と、安倍政治のもつ空疎な言葉の羅列に象徴されるコトバの力のなさである。
 安倍首相による「印象操作」の手口は、国民の多くにすでに見透かされてしまっている。
 にもかかわらず、安倍政治は変われない。
 これでは、学識者・文化人からの批判は一層強まらざるをえないだろう。国会前のデモも止むことはないだろう。

 第二に、矛盾の最たるものは、独立主権国家とは到底いえないアメリカべったりの従属性である。
 思考停止状態の暴走政治は、実際の物理的危険性から、国民の要求が実現されることはない。その矛盾は解消しないだろう。

 第三に、安倍政治は「保守」でもない。
 モリカケ疑惑を疑惑のまま放置することはできない。
 ニセ保守の正体は、今後ますます明らかにならざるをえないだろう。
 「こんな人たちに」発言に象徴されるように、国会私物化の安倍政治が、国民全体の幸福を考え実現することはできない。安倍政治がまかり通ならば、今後一層、日本社会(共同体)は、破壊されていかざるをえないだろう。

 今後の政界再編でのひとつのカギは、無所属議員が、希望の党の路線に行くのか、立憲民主党の路線に行くのかということにある。
 いまの日本国憲法体制の価値観の枠組み、すなわち国民主権基本的人権の擁護・平和主義の三原則からなる立憲主義を維持・発展させる政治勢力なのか、それとも壊憲勢力なのか。今後も、その境界線をめぐって、綱引きが続いていかざるをえないだろう。
 もちろん、以上は、一有権者の見方にすぎない。ただ、それほど間違っていないと考えている。