「加計氏・首相の「面会」、今治市長「メモあると思う」」

 以下、朝日新聞デジタル版(2018年5月25日22時00分)から。

 学校法人「加計(かけ)学園」の愛媛県今治市への獣医学部新設をめぐり、2015年2月に安倍晋三首相が学園の加計孝太郎理事長と面会したと県の文書に記載されていることについて、今治市の菅良二市長は25日、2人が面会したと市の担当者から当時、報告を受けていたと明らかにした。実際に面会があったかどうかは「本当なのか(分からない)と冷静に考えている。伝聞ですから」と述べた。

 県が参院に提出した新たな文書には、加計氏が15年2月25日に首相と15分程度面会し、首相が「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントした、という学園からの報告内容が記されている。同年3月4日には学園側と菅市長が面会し、「ほぼ同内容の説明があった」とも記載されている。首相も加計氏も面会を否定している。

 菅市長はこの日、以前からの報道各社の申し入れに応じて会見を開いた。菅市長は学園からの報告について「私どもに対する力強いエールではないか、と受け止めている」と振り返る一方、「直接総理から聞いたわけでもなく、官邸の記録もない。(面会があったかは)白紙で考えないといけない」と話した。

 一方、3月4日の自身のスケジュールは「確認していない」とし、面談記録などを調べる意向を示した。

 担当者が学園の報告を記録しているかについては「メモとしてあると思う。確認をする」と答えた。ただ、メモは参院に提出しておらず、「参院の事務方からは洗いざらいという話は聞いていない。もっと重要なものがあると感じた」と理由を話した。

 同年4月2日に市職員が県職員らと首相官邸に出張した報告書(復命書)も提出していないといい、「国政調査権に基づく要請ではなく、任意での提出依頼と確認した」と述べた。(柳川迅)