「ゴクミ、寅さん映画で復帰 山田監督から出演依頼の手紙」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年10月31日17時55分)から。

 50作目の新作として22年ぶりに制作される映画「男はつらいよ」シリーズ(2019年12月27日公開予定)に、俳優の後藤久美子さん(44)が23年ぶりに復帰することが明らかになった。山田洋次監督(87)と松竹が31日、発表した。マドンナ役には、浅丘ルリ子さん(78)と夏木マリさん(66)。来年で第1作公開から50年。節目の年に向けて大きく動き出した。

 山田監督は記者会見で、「何物にも拘束されないで自由に生きるということがどんなに素晴らしいか、がこの映画のテーマ。これまでの49作に負けない集大成にしたい」と話した。

 同席した後藤さんは1995年、当時F1レーサーのジャン・アレジさんとの婚約を発表。同年の48作「寅次郎紅の花」が最後の出演作となっていた。今もスイスのジュネーブで暮らす。会見で、山田監督から出演依頼の手紙が自宅に届いたことを明らかにし、「(作品への)大きな愛情、情熱がひしひしと感じられた。監督から呼び出されたら、『ハイっ』と二つ返事で行くんです。『お帰り』『ただいま』という感覚です」。

 「寅さん」こと車寅次郎のおい・満男(吉岡秀隆)の恋人として、シリーズ終盤では欠かせない存在だった。今回の作品では、国連難民高等弁務官事務所UNHCR)の職員という役柄だ。仕事でヨーロッパから来日した際、小説家になった満男のサイン会に現れ、恋の炎が再燃する。後藤さんの母親役を夏木さんが務める。

 過去5回出演してきた浅丘さんは、これまでと同じ寅さんのマドンナ・リリーを演じる。今回はジャズ喫茶・バーを経営するママさん役だ。「14歳で女優デビューしたが、一番好きな役はリリー。やっていてすごく楽しい。もっとやりたい」と話した。(編集委員・小泉信一)