「有休取得率、日本は3年連続最下位 エクスペディアが国際調査」

 以下、エクスペディア(2018.12.10)より。

 働き方改革が話題になるにつれ、どのように働くかだけでなく、「どう休むか」も注目されています。総合旅行サイトのエクスペディア・ジャパンは10日、同社が実施した、有給休暇の取得状況に関する国際比較調査の結果を発表しました。対象となった19カ国のうち、有休取得率が50%だった日本は、3年連続最下位でした。

 同社によると、調査は今年9月、アメリカやブラジル、フランス、ドイツ、インド、韓国など19カ国で、18歳以上の有職者の男女計1万1144人を対象にインターネットを使って行われました。同社は2008年からこの調査を毎年行っており、調査を始めた理由は、外国と比べて休みを取らない日本人に他国の現状を知ってもらい、長期休暇に旅行でリフレッシュしてもらうことだそうです。

 有休取得率ワースト2位のオーストラリアは70%で、1位の日本とはかなりの開きがあります。日本は、有休の取得日数も10日と、アメリカとタイと並んで最下位でした。

 「有休を取ることに罪悪感があるか」という質問に対して、「罪悪感がある」と回答した日本人は58%にのぼり、こちらも19カ国中で最も割合が多い結果になりました。

 有休を取らない理由について聞いたところ、日本人の第1位は「人手不足」、2位は病気などの「緊急時のために取っておく」でした。3位には「仕事する気がないと思われたくない」がランクインしています。

 出張に休みをつけて旅行をする、ビジネスとレジャーをかけあわせた「ブレジャー旅行」が、世界では注目されているそうです。

 例えば、東京からNYに出張がある場合、仕事後にナイアガラの滝を観光してから帰国するようなイメージだといいます。東京〜NY間の往復の航空券は会社が払い、ナイアガラの滝への観光にかかる費用は自分が払うイメージです。

 こうした出張にあわせて有休を取ったことがあるかという質問には、日本人の79%が「ない」と回答しました。こちらも19カ国中、最も高い割合になっています。

 10日、東京都内で調査結果の発表会が開かれ、エクスペディア・ジャパン代表の石井恵三さん、フリーアナウンサー神田愛花さん、株式会社「ワーク・ライフバランス」の堀江咲智子さんによるトークセッションがありました。

 調査結果を聞き、「一生懸命働くことは悪いことではありませんが、外国とこんなにも違うのかと驚きました」と感想を述べた神田さん。

 神田さんは2003年から2012年までNHKでアナウンサーを務めていた経験から、会社員時代について「取らなければいけない休みはありましたが、有休はほとんど取れていませんでした。取りたくないという気持ちもあったんです。自分に依頼がきた仕事は絶対に断りたくなくて、ここで有休を取ってしまうと、この番組の担当が先輩や後輩にいってしまうという焦りがあって、(有休を)取りたかったんですが取れなかったということもあります」と振り返りました。

 社員が休みを取ることに慣れていくためにはどうしたらよいのかを尋ねられた堀江さんは「例えば新婚旅行のように誰か特定の人だけが休む、ということでなく、みんなが当たり前に休みが取れる環境になると、休んでいる間のサポートもお互い様になります。そういった関係性ができていくことが大きい」と語りました。

(取材・&M編集部)