テストの結果で校長を評価する――。大阪市が新年度以降に導入する、そんな新たな人事評価制度に、保護者や専門家から不安や批判の声が上がっている。

 大阪市内の公立小学校に長男を通わせている会社員の女性(38)は「楽しく充実した学校生活を送れるように配慮してくれる校長先生が、学力向上に意識が傾き過ぎると子どもが楽しく通えなくなるのではないかと不安。すぐに結果が出ないのが教育なのに、目先の成績重視になって大丈夫なのか」と話す。

 教育評論家尾木直樹さんは「テストの成績は、過去問を解いて訓練するのが一番だが、そうした訓練では考える力は伸ばせない」と指摘。「成績が上がらない子どもに対し、教員の圧力が増すことにつながりかねない。競争で学力が向上するというが、短絡的だ。学力向上には、いじめのない、安心して通える学校の環境も影響するのに、低迷の原因や向上のための丁寧な分析が足りていない」と批判する。

 

(後略)

 

(渡辺元史)