誤答を児童に合図する、これで教育といえるのか

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 今朝の朝日新聞で、足立区の学力テストで、5校で事前練習をおこなったと報じられている。
 足立区は、学校選択制を導入している。
 児童に誤答を合図するということで、一体全体、何を教育しているのか。これは教育ではなく、反教育とも言うべきものだろう。教育の生死でいえば、教育の死である。
 学力テスト競争は教育を退廃させるということは、識者によってすでに指摘されてきたことだ。この点は、歴史的にも、かなり前におこなわれた学力テストでも実証されている。学力テストでの無意味な競争は、教師と子どもを無意味な競争に駆り立て、確実に教育の死を意味することになってしまうだろう。
 以下はasahi.comからの引用。

校長ら6人が誤答を合図、事前演習は6校 東京・足立区
2007年07月16日19時41分

 東京都足立区が昨春実施した独自の学力テストで、小学校1校が障害児3人を採点からはずしていた問題で、区教委は16日、区内の小中学校109校を調べた結果を発表した。この小学校では校長と教員5人がテスト中に誤答の児童に合図していたほか、前年の問題のコピーを取って事前に練習していたことが新たに確認された。コピーを取っての事前練習は他に4小中学校が行っていた。

 調査によると、テスト中の児童への合図は、採点はずしが最初にわかった小学校1校だけだった。この小学校では校長のほか5人の教員が、考え込んでいたり誤答していたりした児童に対し、問題文をなぞったり指さしたりした。

 校長と副校長は「全校で指示した記憶はない」としているが、管理職の主幹は「学年会で言ったかも知れない」と話しており、「校長らから指示があった」と言う教員もいるという。

 前年のテスト問題のコピーは区教委が禁じていたが、この小学校では校長の判断でコピーした。事前の練習は繰り返し行われ、昨春のテスト直前にも、参加した2〜6年の全クラスで各担任が1〜3回、授業中や放課後に練習させていた。

 昨春の問題はその前年の問題とほぼ同じだったため、この小学校の成績は前年からはね上がってトップになった。校長は「コピーは違反だと認識していたが、(前年と)同様の問題が出るとは知らなかった」と話しているという。

 コピー問題を使っての事前練習は、この小学校以外にも小学校3、中学校1の4校が行っていた。回数は3校が1回、1校が2〜5回で、いずれも昨春のテスト直前だった。

 障害などがある児童・生徒を対象からはずしていたのは、最初に発覚した小学校(児童3人)を含めて小学校が14校で19人、中学校は4校で5人だった。最初にわかった小学校では保護者に無断だったが、保護者の了解を得ていなかったのは他に小学校1校の1人だけで、連絡が取れない状態だったという。

 足立区は学校選択制を導入しており、学力テストの成績はホームページなどで公表している。斎藤幸枝教育長は会見で「(学校現場に成績向上への)プレッシャーがなかったとは言えない」と話し、第三者を入れた検討委員会を立ち上げてテスト結果の公表方法などを検討すると説明した。