以下、朝日新聞デジタル版(2019年6月14日20時23分)から。
投資が失敗続きの農林水産省所管の官民ファンドが、今年度の投資額を前年度の9倍となる110億円とし、今後8年間で計700億円を投じる計画を立てたことがわかった。累積赤字は3月末時点で92億円にまで膨らんだが、この返済に向けて投資先を増やすためとしている。だが損失が拡大し、国民負担が増える恐れを懸念する声もある。
このファンドは「農林漁業成長産業化支援機構(A―FIVE)」。農林水産物の生産から加工、流通・販売まで手がける「6次産業化」を後押しするために2013年1月に設立された。大半を政府が出資した319億円の資金を元手に、株を購入するなどして企業を支援している。
しかし、17年度末までに投資案件全体の3分の1を超える47件で減損処理に追い込まれ、損失拡大が止まらない。農水省は「企業の成長後に株を売却して利益を出すファンドの特性上、当初の赤字は想定内」とするが、投資の失敗による損失は20億円超の見込みだ。
(後略)
(大日向寛文)