以下、朝日新聞デジタル版(2019年8月27日12時4分)から。
埼玉県知事選で応援演説をしていた柴山昌彦文部科学相に対し、大学入試改革への反対などを訴えた若い男性を警察官たちが取り囲んで遠ざけたことが、ツイッターなどで話題となり、柴山氏自身も「わめき散らす声は鮮明(だった)」などと発信している。27日の会見で柴山氏は「(演説会場で)大声を出すことは権利として保障されているとは言えないのではないか」との見解を示した。
柴山氏によると、抗議を受けたのは投開票日前日の24日、さいたま市のJR大宮駅前で応援演説をした際。登壇していた車の後方から「柴山やめろ」「(英語の)民間試験撤廃」と大きな声が聞こえたという。
ネット上では、抗議をしていた男性が警察官たちに囲まれる画像が投稿され、「文科相に抗議の大学生を街頭演説から排除」などと批判が出ている。これに対し、柴山氏は26日に自身のツイッターで「街宣車の反対でしたので見えていませんでした」「少なくともわめき散らす声は鮮明にその場にいた誰の耳にも届きました」などと投稿した。
27日の会見では質問に対し、「表現の自由は最大限保障されなければいけないが、選挙活動の円滑、自由も非常に重要」と答えた。そのうえで、「演説会に集まっておられた方々は候補者や応援弁士の発言をしっかりと聞きたいと思って来られているわけですから、大声を出したり、通りがかりでヤジを発するということはともかくですね、そういうことをするというのは、権利として保障されているとは言えないのではないか」と語った。
2020年度から始まる大学入学共通テストをめぐっては、英語の民間試験を活用することなどに批判が続いている。(矢島大輔)