「衝撃音そして黒煙、乗客は震え泣いていた 京急脱線事故」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年9月5日13時39分)から。

 衝突した電車は、先頭から3両目までが脱線した。先頭車両は右側に横転し、正面の窓ガラスが粉々に大破した。事故直後には、トラックから大きな黒煙が上がった。架線の柱も引きずられるように大きく倒れている。周辺には、衝突したトラックが積んでいたかんきつ類が散乱した。

 事故現場の踏切の周辺には、多くの住宅やスーパーがある。

 衝突の直前、ワゴン車に乗って踏切前にいた男性(30)によると、トラックが踏切内で身動きがとれず、立ち往生していたところ、遮断機がおり、そのまま電車と衝突したという。

 「ドン」という破裂したような音が聞こえ、あっという間にトラックの姿が見えなくなった。すぐに煙があがり、電車の車両内からは悲鳴が聞こえたという。

 現場近くに住む女性(59)は自宅1階にいた。「ドカンという大きな衝撃音がして、家全体がガタガタと揺れた。火災で爆発があったのかと思った」と振り返る。黒煙が上がるなか、銀色や黒色の数センチの破片が飛んできて、自宅の車にも降りかかったという。

 2階に上がってみると、京急の線路の方から黒煙がたちのぼり、先頭車両が横たわっているのが見えた。線路に近づくと、1両目から脱出してきた人が見えた。男性がガタガタ震えていて、女性は気が動転した様子で泣いていたという。「電車の破片のようなものが、黒煙とともに空を舞っている感じだった。びっくりした」と話した。

 現場近くの看護専門学校の女性職員(25)は、1階の職員室で勤務中に「ドーン」という大きな音を聞いた。その直後、校舎から現場を見た女子学生が「大変なことになっています」と伝えにきたという。

 事故現場から200メートルほど離れた場所にある保育園でも、職員が「ドーン」という雷のような音を耳にし、「なんだなんだ」と言っているうちに黒い煙が上ったという。