以下、朝日新聞デジタル版(2019/11/15 19:09) から。
首相主催の「桜を見る会」を巡り、内閣府が今年の招待名簿を廃棄したと説明する5月9日に、共産党の宮本徹衆院議員が政府に、同会の招待者数の推移などを資料請求していたことがわかった。共産は「追及逃れのために廃棄したのではないか」と批判している。
野党統一会派や共産による追及チームの14日の会合で、内閣府の担当者は4月13日に開催された桜を見る会の紙媒体の招待名簿を、5月9日に廃棄した、と明らかにしていた。
宮本氏の事務所は朝日新聞の取材に対し、9日昼に内閣官房と内閣府に対し、招待者数の推移や予算額や支出額の推移、招待者の選考基準などをファクスで資料請求した、と説明した。5月13日の衆院決算行政監視委員会で質問するための準備だったという。
今月14日の野党会合で、宮本氏は「事前に色んな情報を教えて欲しいと内閣府に伝えたが、全然教えてくれなかった。私が質問準備のために聞き始めたから(名簿を)捨てたのでないか」と指摘した。これに対し、内閣府の担当者は「用途が終わり、膨大な個人情報を保管することになるから」と答え、資料要求との関連を否定した。内閣府では名簿の保存期間を昨年4月に「1年」から「1年未満」に変更している。
共産党の笠井亮政策委員長は15日の記者会見で、「あまりにどんぴしゃだ。(宮本氏が)5月9日に資料を出しなさいと要求したら、その日に廃棄している。まさに追及逃れではないか。全容解明が必要だ」と語った。(小林豪)
野党追及チームが公開質問状
国の予算を使って首相が毎春に開催する「桜を見る会」をめぐり、立憲民主党や共産党などの野党追及チームのメンバーは15日、安倍晋三首相の衆院議員会館の事務所を訪れ、公開質問状を渡した。質問は、事務所の関与や事務所の紹介による参加者の人数など9項目。18日午後2時までの回答を求めている。訪問したのは、追及チーム座長の立憲の黒岩宇洋氏や共産の田村智子氏ら。質問状をスタッフに手渡した黒岩氏は記者団に、「回答がなければ、総理が自ら説明をしなかったということになる」と語った。
野党は、衆参11人からなる追及チームを12日に発足。来週以降、メンバーを3倍に増やし、調査態勢を拡充する方針だ。(井上昇)