以下、朝日新聞デジタル版(2019/11/19 20:16)から。
安倍晋三首相の地元、山口県下関市では、自民系市議が安倍事務所名の「桜を見る会」の案内状と参加申込書を使い、知人らを招待していたことがわかった。複数の自民系市議が朝日新聞の取材に答えた。
ある自民系市議は「安倍事務所から案内文と参加申込書を直接受け取っている。地元選出の首相や有名人に会えるめったにない機会なので、親しい人に声をかけている」と話す。案内は「安倍氏が首相に返り咲いて以来、毎年、自民系議員に来るようになった」と言う。
安倍事務所名の「『桜を見る会』のご案内」には、「内閣府での取りまとめになりますので、締切後の追加申込はできません」との断りや、後援会主催の前日夕食会の案内も。「あべ事務所行」の参加申込書には「ご家族(同居を含む)、知人、友人の場合は、別途用紙でお申込み下さい。(コピーしてご利用ください)」ともある。
この市議は申込書をコピーし、取りまとめて安倍事務所に提出。「人数制限はなく、これまで断られたのは申し込みの締め切り期限を過ぎた人の分だけ」と話す。別の自民系市議は「今年の春前に安倍事務所から会の参加申込書が届いた。自民系にはみんな届いていたと思う」と語った。
後援会幹部の男性によると、後援会や市議らの紹介者がいれば、実質的に誰でも参加できたという。「首相の在任中に参加したいという希望者が年々増えた。世間から見れば後援会活動と思われても仕方ない」と話す。
一方で公明や共産、社民などの非自民系市議は「議員になってから一度も見たことがない」「申込書は届いたことがない」と話す。ある市議は「公的行事を私的に利用していると言われても仕方がない。『何をしても許される』という長期政権のおごりじゃないか」と批判した。(山田菜の花、藤牧幸一、貞松慎二郎)