「タブレットで遠隔授業、がん治療の高1「学び続けたい」」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年1月14日17時07分)から。

 病気などで入院、治療中の高校生に対する教育支援に、文部科学省が乗り出す。自治体によって対応に大きな差があるなか、ICT(情報通信技術)を使った病棟での遠隔授業などが広がることで、意欲があるのに退学や留年する生徒が減れば――。関係者は、そう期待する。

 広島大学病院広島市)でがんを治療中の市立高1年の女子生徒は、昨秋から病棟で遠隔授業を受けている。直線で10キロ以上離れた教室から送られる授業の様子を、タブレット端末で見る。教室側からは女子生徒の様子は見えない設定だ。高校は、生徒にリポートなども課した上で出席とみなしている。「先生の声や板書がよくわかる。班で話し合う時は、発言者にカメラを向けてくれるから助かります」と女子生徒は話す。

 昨年4月に入学した1週間後に入院。同病院の院内学級は、高校生に対応していない。学校側に「学び続けたい」と希望を伝えたところ、担任や学年主任が1〜2週間おきに病棟に来て指導してくれたが、勉強は遅れがちだった。同病院で昨秋から始まった遠隔授業を受けられるようになり、「教室の雰囲気がわかるのがすごくうれしい」。

 小児科の小林正夫教授は「これまでやむなく留年や退学する生徒がおり、つらい思いをさせて心苦しかった。教育関係者と連携して支援を充実させたい」と話す。

 (後略)

上野創