「桜を見る会名簿「廃棄の記録なし」 政府指針に違反」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/1/7 22:00)から。

 菅義偉官房長官は7日の記者会見で、内閣府が「桜を見る会」の2013~17年度の5年分の招待者名簿の廃棄記録を残していないことを明らかにした。政府の定めたガイドラインに違反するだけでなく、繰り返し主張してきた「廃棄した」ことを裏付ける証拠文書すら残していないことになる。

 公文書管理に関する政府のガイドラインでは、ファイル名や廃棄日の記録を義務づけているが、菅氏は「残すべきものが残されていなかったということは事実だ」として、記録がないことを認めた。理由については「当時の担当者の記憶が鮮明でなく、経緯については分からないということだ」と説明。「(結果的に)記載ミスがあったので、今後徹底するということが大事だ」と話した。

 菅氏はこれまで、招待者名簿は「ルールに基づいて適切に保存・廃棄している」と繰り返し、「廃棄済み」との説明を続けていた。菅氏が廃棄記録がないことを認めたことを受け、記者団は「名簿が存在する可能性がある」として再調査の意向を尋ねたが、菅氏は「書類の管理は内閣府人事課職員に限られていたと聞いており、『廃棄した』というのであればないと思っている」と述べ、再調査は行わない考えを示した。

 公文書管理法施行とガイドライン策定は11年4月。内閣府によると、17年度までの招待者名簿の保存期間は1年、18年度から1年未満となっており、担当者は「第2次安倍政権以降の招待者名簿はすべて廃棄済み」と説明している。

 「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、保存期間満了後の行政文書を廃棄する際に首相の同意を必要とする、公文書管理法第8条に抵触する可能性があると指摘。「廃棄簿への記載がないということは、義務づけられている廃棄の審査を経ていなかったとしか思えない」と語っている。(安倍龍太郎