「小林直樹さん死去 憲法学者 護憲運動に力」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/3/3 5:00)から。

 戦後の護憲運動で指導的役割を果たした憲法学者で東京大名誉教授の小林直樹(こばやし・なおき)さんが、2月8日、くも膜下出血で死去した。98歳だった。葬儀は近親者で営んだ。

長野県生まれ。東京帝国大法学部在学中に学徒動員で陸軍に入った。東大法学部助教授などを経て、61年に教授。82年に退官し、専修大教授なども務めた。
 法理論から出発して憲法の分析などを深め、軍隊経験に裏打ちされた平和志向から、日本国憲法9条を高く評価した。自衛隊違憲問題や有事法制の問題などで積極的に発言、行動した。
 提唱した自衛隊の「違憲・合法論」を80年代に社会党(現・社民党)の石橋政嗣委員長が取り入れ、「社会党の現実路線化」と言われた。
 人間の尊厳性や生命倫理にも関心を持ち、大著「法の人間学的考察」がある。