「コロナ対策の国借金、ツケは国民へ 起こりうる日銀破綻」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2020年9月21日 8時00分)から。

 

 昨年まで国会議員として財政や金融政策の危うさを指摘し、安倍晋三・前首相や黒田東彦日本銀行総裁を追及してきた藤巻健史さん。最近は投資家としての視点で日本経済の構造問題に警鐘を鳴らしている。

 いまコロナショックのもとで問題の深刻度はいっそう高まっているように見える。近い将来、私たちを待ち受けているのはどんな危機なのか。避けることはできないのか。かつて国内外の銀行で「伝説のディーラー」として名をはせた藤巻さんに忌憚(きたん)のない見解を聞いた。

 1950年生まれ。米モルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)東京支店長兼在日代表や著名投資家ジョージ・ソロス氏のアドバイザーなどを歴任後、参院議員を1期務めた。現在はフジマキ・ジャパン代表取締役

 

 ――近著「コロナショック&Xデーを生き抜くお金の守り方」(PHPビジネス新書)では、いまの日本の財政を「いつ自己破産してもおかしくない家庭」に例えていますね。

 「2020年度の税収は税外収入を加えても約70兆円の見込みですが、政府は新型コロナウイルス対策のためにそれより多い90兆円の借金をして、160兆円の歳出をする予算を組みました。これは年収700万円の収入の家庭が900万円借金して、合計1600万円を支出するのと同じです。コロナ対策が必要な緊急事態だから、それも仕方ないかもしれません。

 でも一番の問題は、20年3月末時点ですでに日本の中央政府の借金が1115兆円もあったことです。つまり家計に例えれば、借金がすでに1億1150万円あるのに、さらに900万円借金したということです。これではとても返済はできず、ふつうの家庭ならまちがいなく自己破産でしょう」

 ――家計なら破綻(はたん)するかもしれないが、国家であれば大丈夫、と主張する政治家が増えています。理由にあげているのが、国家には通貨発行権があるから。つまりいくらでも日銀に紙幣を刷らせることができるから大丈夫だと言うのです。本当ですか。

 (後略)

(聞き手=編集委員原真人