以下、朝日新聞デジタル版(2020/10/27 22:18)から。
日本学術会議の任命除外をめぐり、菅義偉首相は会員について「一部の大学に偏っている」といった主張を始めたが、いまだ一連の経緯を説明しない。なぜ6人が除外され、誰が判断したのか。首相が初めて臨む28日からの国会論戦で大きな焦点となる。
学術会議の会員任命をめぐっては、2016年と18年の欠員を補う人事の際、事前調整の段階で首相官邸側が難色を示し、会員を補充できなかったことが明らかになっている。
会員任命が大きな問題として浮上したのは今年10月1日。学術会議が正規に推薦した候補者105人のうち、首相が6人を除外して任命したためだ。
この過程で官邸側は、事前調整として学術会議側からの105人より多い候補者名簿の提示を想定していた。官邸幹部はその理由について、取材に「任命権はこちらにある。それなりの数を示してもらう必要がある」と説明する。
一方、山極(やまぎわ)寿一会長の時の学術会議は、官邸側と調整をせず、105人分の推薦名簿を8月31日に提出。会議の関係者は「学術会議の独立性を示した」と、その理由を語る。これに対し官邸幹部は「ぴったりの数を持ってきたから、その中から会員を選んだということだ」。官邸側と会議側の間で、今回の会員の任命をめぐり摩擦が生じていた。
(後略)
(宮崎亮、楢崎貴司、石倉徹也、西村圭史)