以下、朝日新聞デジタル版(2020/11/6 8:49)から。
トランプ米大統領は5日、大統領選挙をめぐって「不正があった」と改めて主張し、開票の中止を求めた。開票が続く州では、トランプ大統領に呼応して支持者が集計中の開票所に集まり、緊張が高まっている。
開票作業が続いているジョージア州、アリゾナ州、ペンシルベニア州などの開票所周辺では4日から、トランプ氏の支持者が集まって集計の中止を求めるなどしている。
こうした支持者の行動をあおっているのが、トランプ氏の言動だ。
トランプ氏は5日に声明を発表し、「合法的な票を集計すれば私が容易に勝利する。もし違法な票や遅れた票を集計すれば、彼らは我々から選挙を盗むことができる」と訴えた。
トランプ氏はツイッターでも「投票で不正があった。多くの証拠がある」と主張。ほかにも「集計を止めろ!」「投票日以降に届いた票は集計されない」「不正を止めろ!」などと投稿した。その多くはツイッター社によって「ミスリードの恐れがある」という警告が表示された。
トランプ陣営は、バイデン氏がリードしている州を中心に、集計の一時停止などを求める訴訟を次々と起こしている。トランプ氏の次男エリック・トランプ氏は5日、不正を発見した場合は、専用のウェブサイトに報告するよう呼びかけた。
これまでのところ、各州政府や司法当局から不正があったという発表はされておらず、主要報道機関による報道もない。トランプ陣営も具体的な不正の証拠を示しているわけではない。
しかしネット上では、「登録有権者数を上回る投票があった」などの誤った情報が広がっている。フェイスブックは、誤情報の拡散を防ぐため、「盗むのをやめろ」というハッシュタグがついた投稿の閲覧を制限する措置を取った。(ワシントン=大島隆)