以下、朝日新聞デジタル版(2020/11/14 11:00)から。
横浜市がカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を進めることに対し、賛否を問う住民投票の実施を求める署名活動をしてきた市民団体「カジノの是非を決める横浜市民の会」が13日、署名を各区の選挙管理委員会に提出した。団体側の集計では、署名は20万5852筆(同日正午時点)となり、市長に住民投票条例の制定を求めるのに必要な数の3倍以上が集まった。
中区役所ではこの日、区民らが約5800筆を提出。柴田智悦さんが「市民はカジノを望んでいない」などと訴えた。全18区で区選管による審査や署名簿の縦覧が行われ、6万2541筆以上の有効署名が確定すれば、条例制定を直接請求できる。
提出に同行した市民の会共同代表の小林節氏は報道陣に、市全体で有権者の15人に1人が署名したと説明。「文化都市・横浜を、ばくち都市・横浜に変えていいのか。歴史的な決断を不明朗な形で、市民の意見を聴かずに決めてはいけない」と訴えた。
市議会は自民党系と公明党の会派が過半数を占め、条例案が成立する見通しがあるわけではない。小林氏は「市議会が無にしないことを強く要求する」とし、今後すべての政党に対し働きかけていくとも述べた。
署名の提出を受け、林文子市長は同日の記者会見で「IRの実現について市民の皆さんが大変関心があること、心配なさっていることの表れと認識している。しっかり受け止めて市民への情報発信を徹底し、条例に基づき適切な手続きをしていく」と話した。(松沢奈々子)