英語のリズムでは文頭が肝心でSV感覚に慣れる必要がある

 英語学習と英語の授業のあり方について考えると、この文は文型で分析すると何文型かという問いかけにとどまるのではなく、英文の文頭から理解して、言語活動ができるようにする必要がある。

 とにかく文頭から攻める。決して後戻りしたり、戻ったりしてはいけない。とにかく文頭から。翻訳は別だが、英文の理解としては、関係代名詞なども後ろから戻って訳させてはいけない。付け加えとして理解する。英文と日本文とは統語論が違うのだから、統語論が違うということを前提にする必要がある。

 松本亨氏の「英語の新しい学び方」でも、逐語訳の廃止というようなことが書かれていた。理解できなかったら頭から何でも読む、よく読むことだ。

 板坂元氏の「考える技術・書く技術」でも、英語のリズムとしては、文頭が肝心というようなことが書かれていた。日本語では、文尾が重要で、そこで落とし話のように、落されたりもするのだが、一方英語といえば、文頭が重要で、日本人が苦手とする英語のリスニングの技術としては、SV感覚に慣れないといけないということなのだろう。

 倉谷直臣氏の「英会話上達法」では、英語的発想は、I,I,I,Iで始まるというようなことが書かれていた。田崎清忠氏による「線香花火式読解法」というものがあった。英文を線香花火に例え、キーワードから連想されるコトバやイメージを広げていくことで文章全体の意味を理解するというものだが、これも、英文の統語論を前提にしての考え方なのだろう。

 いずれにせよ、言語学習や言語指導としては、時間をかけて構文を分析すればよいのだが、聞いたり話したり、そして読み方であっても速読のような読み方となれば、言語学習となってくる。言語学習の場合は、頭から理解しなければならない。そして、日本語の統語論に慣れている私たちとしては、英文を聞いたり読んだりする場合、文頭をおさえることは重要なのである。