「別冊宝島22 アジア・太平洋(発想する旅のガイドブック)」を読んだ

 ダグラス・ラミス片桐ユズルなどの論稿をのせた「道具としての英語」や Basic EnglishやGDM(Graded Direct Method) を紹介した「道具としての英語・会話編」など、これまで「別冊宝島」のシリーズは、楽しく読んだことがある。

別冊宝島22 アジア・太平洋(発想する旅のガイドブック)(1981)

 さて、私たち戦後に生まれたものは、外国といえばヨーロッパやアメリカ合州国を思い浮かべ、ともすれば「アジアの中の日本」という視点が弱い。けれども、戦前・戦後のアジアとのかかわりを考えるならば、また、戦後の核実験を考えるならば、視野を広げて、足元をしっかり見るというのは大切なことだ。

 本書のイントロダクションには、次のようにある。その一部だけ紹介する。

 さて、お気づきのひともいるかと思うけど、ここで扱う地域は、旧「大東亜共栄圏」なのである。なぜ、そうなのかといえば、歴史的にも現在的にも最も、日本と密着した地域だからだ。当然、ニホンジンは悪名が高いのだ。旧日本軍といい、”売春観光”といい、日系企業の進出といい、いい材料があるはずもないのだからそれは当然のことだろう。しかも最近はASEAN諸国に対する”援助””友好関係の強化”を謳い文句にして、日本政府主導のアジア政策がすすめられている。むかしは兵器で、いまは金で、ということだろう。金も、力もないぼくらは、どうやって行くかといえば、イメージすることからはじめるのだ。ここに寄せられた体験の数々は、すべて、それぞれのひとのイメージに即して書かれている。

 香港で公用語とされる英語がどれくらい通じるか。香港の「愛群歌劇院」という͡コヤ。タイでの値段交渉はタイ語でやるとよい。タイの歴史を知るなら国立博物館。複合民族国家のマレーシア。ビルマシンガポールのセントゥサの戦争資料館。フィリピン。インドネシア。そして台湾の霧社事件。韓国等々…。

 少しずつだが、去年から朝鮮語に挑戦していること。また恩師がサバティカルで今後マレーシアに調査研究に行かれることもあり、アジアに眼を向けなければと思っているところだ。

 いつか、自分も出かけてみたいものだ。