マオリチャンネルでマーチン=ルーサー=キングジュニアの番組を見る

 このマオリテレビで、昨晩9時30分から11時30分まで、マーチン=ルーサー=キングジュニアの映画をやっていた。
 公民権運動から、ワシントン大行進、有名な「私には夢がある」の演説、そしてケネディ大統領暗殺からマーチン=ルーサー=キングジュニアが暗殺されるまでを描いたドキュメンタリーで、貴重な映像をたくさん観る事ができた。それにしても、黒人差別撤廃の闘いに対するすさまじい弾圧だ。
 先日チャンネル1で、1歳からニュージーランドで育ったインド人の女の子と韓国の男の子のバイオリニストが、ニュージーランドで生まれていないという理由だけで、ある音楽祭に参加できないということが話題になっていた。
 マルチカルチャリズムを標榜するニュージーランドで、いまどきそんな話があるのかという話なのだけれど、そのインド人の女の子も「最初は何かの間違いではないかと思いました」と言っていたけれど、マーチン=ルーサー=キングジュニアが肌の色で差別するのはおかしいと異議申し立てをした公民権運動の頃は、まさに彼らは命がけで闘ったわけだ。
 U2の”The Unforgettable Fire”に入っている”Pride(In the Name of Love)”という曲はマーチン=ルーサー=キングジュニアを讃える名曲だが、U2には、”MLK”という題名の曲もある。スティービー=ワンダーの”Hotter Than July (Dig)” というアルバムの中の”Happy Birthday”もMLKのような素晴らしい人物を讃える誕生日がないのはおかしいと主張する名曲だ。すでに合州国ではMLKの誕生日を祝う祝日が制定されている。バスボイコットをテーマにしたネビルブラザーズ(Neville Brothers)の”Yellow Moon”というアルバムの中の「ローザパークス」(SisterRosa)という曲や、ウーピー=ゴールドバーグ主演の1995年の映画”ロング ウォーク ホーム [VHS](Long Walk Home)”も、公民権運動の一端を知るには必聴・必見だろう。
 それにしても、人権をテーマにしないといけない現代にあって、マーチン=ルーサー=キングジュニアは外すことのできない人物なのに、あまり報道されることもなく、英語教育くらいでしか日本では取り上げられないのは、どうしたわけだろう。
 U2の音楽映画”U2 魂の叫び [DVD](Rattle and Hum)”で演奏される「プライド」のイントロ部分で、暗いコンサート会場が突然明るくなって観客の姿があらわれる場面は、いつ見ても背筋がぞくぞくするし、ボノが「マーチン=ルーサー=キング牧師のために歌ってくれ」と大観衆に向かって語るのだけれど、マーチン=ルーサー=キングのような人物は、彼のために、そしてまさにわれわれのために、いつでも和して歌わないといけないのではないかと思う。