「ひとり股旅スペシャル@広島市民球場」を見た

さすらい

 1999年に出た奥田民生のDVD「ひとり股旅 [DVD]」は、ロードムービーとして面白く、武道館や大阪城ホールでの「雪が降る町」「イージューライダー」「さすらい」「コーヒー」などの演奏は、大変素晴らしい。アコースティック1本なのに、なんというか、演奏に対する集中力がある。
 しかし、今回の広島市民球場での演奏は、散漫だ。
 会場がずっと広いということもあるが、屋内と屋外の違いが大きいのかもしれない。あるいは、そもそも広島市民球場で、アコースティックギター1本で演奏というのは、土台、無理な設定であったのかもしれない。
 相当のプレッシャーだったのだろう。いつもの人を食ったような、自分が楽しんでいるような演技や雰囲気がない。
 途中で、「さすがにペースがつかめないのですが」と語っていたが、おそらく最後までペースがつかめなかったに違いない。演奏者の戸惑いと緊張が最後まで続いたような印象を受けた。
 前半部分の最後の曲、「冬のソナタ」の主題歌、「最初から今まで」で、ようやく緊張が少し解れたように感じた。

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