国民は、小泉マジックから目覚めよ

 今回の選挙結果は、たとえ多くの国民が自民党に投票したのだとしても、本当に投票したのかという気持ちが残るような不思議な印象が私にはある。まさに小泉マジック選挙だ。当の自民党も、これほどの圧勝を眼の前にして、あっけにとられているのではないか。当選した各議員も、解決のむずかしい重大な諸問題を眼の前にして、ビジョンも見通しも十分にはなく、途方に暮れているような印象が私にはある。
 一連の国民の不安や不満が小泉自民党に投票するという行動に出たのだと思うけれど、言うまでもなく、自民党の政策と国民の要求との間には、基本的に矛盾がある。
 無駄を削るといいながら、政党援助金を拒否せずもらい続けている政党。大企業から献金をもらって大企業の利益を代表する政党に、国民の要求が実現できるとは、到底私には思われない。
 今回の選挙は、自民党がますます小泉自民党になり、衆議院において小泉首相イエスマンが増えただけの選挙で、最初から最後まで国民不在のまま選挙がおこなわれたかのような印象があるが、今後、自民大勝のもつ意味は大きくなるだろう。それは、今回の選挙結果が国民にとって極めて危険な道に他ならないと思えるからだ。一言でいえば、弱肉強食社会を基本として、憲法改悪と、大増税少子化問題と年金の更なる引き下げが待ち構えているだろう。
 広島六区で当選をした元自民党*1亀井氏が、このままでは、日本が危ない、目覚めよ、国民と言っていたが、亀井氏とは違う立場と文脈で、私もまた、声を大にしてそう言わざるをえない。
 選挙は漫画的に終わったけれど、もちろん、これを漫画と片づけるだけでは済まされない。
 憲法改悪、大増税は眼の前だ。

*1:「元自民党にさせられた」と書くべきか。