参議院選挙の結果は、安倍政権の悪政に対する厳しい国民の審判となった

amamu2007-07-30

 参議院選の結果は、自民党惨敗、大敗となった。
 自民党は、1人区で6勝23敗。片山虎之助氏、党参議院幹事長らも落選となった。
 公明党も、愛知・埼玉・神奈川で議席を失い、18年ぶりの敗北となった。
 選挙結果は、自公政権、安倍政権に対してNOをつきつけた結果となった。
 大敗の原因は、消えた年金問題に対する国民の怒り、柳沢厚生労働相、久間防衛相らの問題発言、政治とカネの問題での不透明さ、松岡農水相、赤木農水相ら、問題閣僚をかばい続けている安倍首相への批判が大きいに違いない。暮らしに対する国民の不安、国民の悲鳴が届かない政治に対する不信感が強い。
 その結果、安倍首相のリーダーシップに対する厳しい審判となった。
 前回の選挙で自民党が信じられないほど大勝した際に、私は「国民は小泉マジックから目覚めよ」と書いたのだが、まさに国民が小泉マジックから眼を覚ましたかのようだ。実際、眼を覚まさないわけにはいかないほど、安倍政権のつまずきは連続して生じていた。民主党が勝ったというより、国民から見放されて自滅したというのが近いと思う。
 しかし、中川秀直幹事長、青木幹雄参議院議員会長は辞任するというのに、安倍首相は退陣せずに続投だという。それで国民の審判にきちんと応えたことになるのだろうか。

参院選>安倍首相「申し訳ない結果だ」テレビ特番で
7月29日23時3分配信 毎日新聞


 安倍晋三首相は29日午後10時すぎからテレビ朝日の選挙特別番組に出演し、「申し訳ない結果だが、美しい国づくりの約束を果たしていきたい。厳しい、苦しい状況ではあるが、責任を果たしていくのが私に課せられた使命だと決意している」と述べ、続投に強い意欲を示した。

 今回の選挙結果は、あらためて、政治は国民のためにあることを示した。国民の暮らしが大切なのであって、そのために政治も、政党もあるのだと。政治や政党は手段であること、一言でいえば、政治至上主義ではなく、主権在民であることをあらためて示してくれた。
 問われているのは、平和憲法を改悪するのか否か、集団自衛権を容認するのか否か、暮らしを守るのか否か、とりわけ大企業優遇税制を続けるのか否か、大衆増税を許すのか否か、民主的で国民的な教育を守るのか否か。一言でいえば、日本の平和と民主主義が問われていると思う。
 自民党大敗の次に考えないといけない問題は、今回の選挙結果が、こうした国民的課題に応えられるかどうかだ。
 その点で、率直にいって私は二大政党論について疑問を持っている。
 大勝した民主党には、そもそも自民党議員だった者が少なくない。自民党の政治と基本的にどこが違うのか、明確であるとは言えない。象徴的なのは、慰安婦問題でワシントンポスト紙に意見広告を出したのは、自民党議員のみならず民主党議員も多数いることだ*1
 民主党という政党で、平和憲法を擁護し、庶民大増税に反対できるのか。国民の暮らし、平和と民主主義が守れるのか、課題はさらに引き継がれる選挙結果となったと言わざるをえない。
 また、投票率だが、58.6%ということで、いわゆる「亥年現象」は起きなかったとはいえ投票率はもっと高くあるべきではないか。国民が政治に対してもっと関心を持ち、いわば政治的教養を高めない限り、国民不在の悪政が続いていかざるをえない。

*1:例えば、次のURLで、どういった民主党議員がワシントンポスト紙の意見広告The Factsに名前を連ねているかわかる。http://www.kinyobi.co.jp/MiscPages/antena070622