ピーター=バラカン氏のヒーローであるマルコムX

The Autobiography of Malcolm X

 今朝の朝日新聞に、音楽評論家のピーター=バラカン(Peter Barakan)氏が、マルコムX(Malcolm X)について書いていた。
 音楽に関する私の愛聴盤はたくさんあるけれど、その一枚に、Donny HathawayLiveがあり、これがバラカン氏の愛聴盤の一枚であることを知って大変嬉しく思ったことがある。またロンドン生まれのバラカン氏が、子ども時代のアイリッシュ音楽に対する偏見を乗り越えて、アイリッシュ音楽を精力的に紹介し始めたときにも共感覚え、実際Donal Lunnyのコンサート会場でお姿をお見かけしたときもとても嬉しくなったものだ。そのピーター=バラカン氏のヒーローがマルコムX(Malcolm X)であると聞いて、妙に納得した。
 なにかとマーチン=ルーサー=キング=ジュニアと比較され、「過激」と言われてきたマルコムXだが、のちに「ルーツ」を書くことになったアレックス=ヘイリー氏の聞き取りによってルポルタージュのように書かれた「マルコムX自伝」で、再評価がなされたのだろう。さらにデンゼル=ワシントンが演じたスパイク=リー監督のマルコムX [DVD]の映画(1992年)が後押ししたことは確実だろう。マルコムXもMLKとの比較で英語教育の題材に使われるようになってもおかしくはない。
 ピーター=バラカン氏は、「先日亡くなった「公民権運動の母」、ローザ・パークス」さんについても触れていて、「彼女の活動は、白人乗客にバスの座席を譲るのを拒否したことに尽きるわけですが、50年代の米国でそれがどんなに勇気のいることだったか」と、的確に書かれていた。