ブッシュ大統領によるイラク戦争擁護の演説

amamu2005-12-19

 昨日(現地時間18日夜、日本時間では19日朝)、ブッシュ大統領によるイラク戦争に関する演説がおこなわれた。
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2005/12/20051218-2.html
 これは、例の大量破壊兵器情報の誤りをはじめとして、戦争の大義合州国国内で広く疑問視され始めていること。疑問視される戦争の中で、2100人を超えるアメリカ兵の死者が出ていること。さらにクリスマスの季節が近づいているのに、イラク戦争がさながらベトナム戦争のように泥沼化してきていて、解決策が見えないことがその理由にあげられるだろう。
 この演説を全部は聴いてはいないのだが、CNN報道を部分的に聞く限り、ブッシュ大統領は、イラク戦争前の大量破壊兵器情報の多くは「誤り」として認め(“concedes mistakes”)、開戦の責任が大統領にあることをあらためて確認しながらも、テロリストの勢力拡大の危険性を指摘しつつ、結局は、戦争決定の擁護(“defends war decision”)を基本として、イラク早期撤退論を排撃し、イラクの戦況に絶望しないように(“Do not give in to despair”)国民に呼びかける内容のものだったようだ。
 自由(“freedom”)のたたかいのためにというのが合州国の戦争擁護の常套語句だが、これほど意味論的に錯乱している使い方もないものだと私は思う。
 それでもと、あえて書くけれども、日本はこの程度の議論も報道もない。ブッシュ大統領のように、国内世論の批判に対する自己弁護的演説すらもない。
 他国の軍隊が引き上げたら、その後から引き上げを決めるというのが今の日本政府の基本方針だ。