ハリケーン・カトリーナが襲う前に、警戒発令はブッシュ大統領に届いていた

amamu2006-03-04

 あのハリケーンカトリーナによって堤防が決壊し大惨事となったニューオリーンズ。早いもので、あれからすでに半年が経つ。ニューオリーンズの全体の復興は、保険会社の補償問題などで、まだまだ解決のめどがなかなか立たないようだが、そんな暗い気分をお祭りで吹き飛ばしたいという雰囲気で、マルディグラ関連のニュースを連日CNNでやっていた。
 3月3日付けのIHTのTape shows alert to Bush before Katrinaという記事によれば、「カトリーナが8月29日に襲う直前、ブッシュ大統領は最後の報告を受けて、省の高官に準備万端、大丈夫だと安心させた」(Bush did not ask a single question during the final briefing before Katrina struck on Aug. 29, but he assured state officials: “We are fully prepared.”)とのことだ。また、「ブッシュ大統領は、あの嵐の四日後に、堤防の決壊については誰も予測できなかったと思うと公表した」(Bush declared four days after the storm, “I don’t think anybody anticipated the breach of the levees.”)が、決壊についての心配や、もし惨事になった場合、救助隊が足りなくなるだろうというようなことも事前に報告されていた。こうした事実を示すビデオテープがあるとのことだ。
 もちろん、ホワイトハウス国土安全保障省(Homeland Security Department)は、このビデオテープを重要視しないように、次のように反論している。
 “I hope people don’t draw conclusions from the president getting a single briefing,” said Trent Duffy, a presidential spokesman, citing a variety of orders and disaster declarations Bush had signed before the storm made landfall. “He received multiple briefings from multiple officials, and he was completely engaged at all times.”
 その一方、ニューオーリンズの市長は、ブッシュ政権によるカトリーナ対策に不信感を募らせていて、ブッシュ政権とは違った姿勢にあり、みんなよく知っていたんじゃないかとの見方を強めている。
 Mayor C.Ray Nagin of New Orleans, a critic of the Bush administration’s Katrina response, had a different take after watching the footage Wednesday from an Associated Press reporter’s camera. “I have kind a sinking feeling in my gut right now,” he said. “I was listening to what people were saying----they didn’t know, so therefore it was an issue of a learning curve. You know, from this tape it looks like everybody was fully aware.”
 ハリケーンカトリーナで、イラクに派兵なんかしている場合じゃなかったということが明々白々にされたとき、あのジョン=スチュワート(Jon Stewart)のデイリーショーの大ファンである合州国の知人が、8月の夏休みを終えて9月に再登場したデイリーショーに拍手喝采をしていたが、ハリケーンカトリーナは、国内問題も管理できないブッシュ政権に対する痛烈な批判となり、その後遺症が続いているニューオリーンズを見れば、その批判が今なお続いていると言えそうだ。ブッシュ政権の支持率が下がっていることと、これは大いに関係があるだろう。