「負担増実感の夏」という記事が7月23日付けの朝日新聞に載っていた。
住民税の大幅な負担増に対して、少し前の6月の声の欄に、連日、高齢者の悲鳴が掲載されていた。お年寄りばかりでなく、会社員も定率減税の縮小で、税額がアップしている。今後は消費税率の大幅アップ。さらには「給与所得控除」「配偶者控除」「扶養控除」の見直しが議論されているという。
いま日本社会は、これまでになく低所得者層が広がりつつある。こうした背景があるからこそ、結婚もできないし、子どもも生めない人たちが増えているわけだ。健全な社会をつくるには、政治の力が必要であるのに、政治が逆の方向を向いている。
最近の朝日新聞が特集している「分裂にっぽん」によると、日本に一定の生活基盤をもちながらも、高所得者層が海外に住まいをもち、節税に励む脱出組が増加しているという*1。
そもそも納税者(Tax payer)、それも高所得者というものは、「租税回避地」(Tax Haven)を求めるものなのだろうが、日本が魅力のある社会でないことも一定程度は反映しているのだろう。
つまり日本は中味のない国へと空洞化してはいないか。
大企業や金持ちに優遇税制をしておきながら、貧乏人から搾り取っている。これで健全な社会が育成されると考えているとすれば、それは余程おめでたい人だ。