ジャンゴラインハルトとともに演奏した経歴をもつStephane Grappelliの演奏がアルバムPaul Simonに収められている。Hobo's Bluesという一曲だ。
もちろん彼がヴァイオリンを弾き、Paul Simonがギターでリズムを刻んでいる。演奏としてはステファン・グラッペリが主役で、Paul Simonはここでは第二ヴァイオリンの役割を演じている。
1997年のダニエル・レヴィティンのインタビューによれば、上手くないけどジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)のスタイルを真似て演奏しているとポール・サイモンは語っている。
録音は、フランスのパリで、ステファン・グラッペリの故郷だ。
このStephane Grappelliだが、私がサンフランシスコに半年滞在していた際に、結構Great American Music Hallに来て演奏していた。1981年から1982年にかけての話だから大昔の話なのだが、だから私はステファン・グラッペリの当時の演奏のほとんど見ていると思う。
Stephane Grappelliが好きになってから、その後、彼のCDも何枚か買ってみたが、どうしたものか、あまり感心したものがない。おそらくプロデュースが悪いのだろうと思う。その意味では、ステファン・グラッペリはライブに限る。ステファン・グラッペリのビデオも買ったこともあるが、こちらも感心しなかった。
ステファン・グラッペリは生に限るのである。それで、このポールサイモンとのコラボレーションは実にいい。装飾や演出がなく、まさに素の演奏なのである。
惜しむらくは、その素晴らしいステファン・グラッペリが1997年に89歳で亡くなってしまったことだ。