「武士の一分」を観てきた

武士の一分

 大変忙しく、観たい映画も観ることのできない毎日が続いている。
 ようやく時間をつくって山田洋次監督の「武士の一分 [DVD]」を観てきた。
 「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」に続く山田洋次監督による時代劇三作目。今回の話題はなんといっても木村拓哉主演ということだろう。
 これを観ての最初の感想は、なんてシンプルな映画なのかということだ。
 上映時間の2時間1分があっという間だった。
 これは筋書きがシンプルだということで、それを丁寧に描いている点は、これまで通りの山田洋次流だ。
 「たそがれ清兵衛」の場合の「おとはんがいるから寂しくねぇ」など、山田監督の日本語はいつもながら泣かせる。今回の場合、「加世はそげだ淫らなことをする女ではありましね」であり、題名の「武士の一分」である。
 果たし合いの相手島田も木村拓哉扮する三村新之丞も、果たし合いのあと、何も言わない。「武士の一分 [DVD]」は“Love and Honor”と英語に訳されるようだが、何も言わないのは、いわば日本的コミュニケーションであるのだが、これは十分海外にも通じるのではないか。
 檀れい笹野高史が好演している。