鳩山法相の「私の友人の友人がアルカイダだ」発言

amamu2007-10-31

 鳩山法相の「私の友人の友人がアルカイダ(国際テロ組織)だ。バリ島中心部の爆破事件に絡んでおり、私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた」との発言が問題になっている。200人以上が犠牲になった02年10月の事件を事前に知っていたとも取れる内容で、その後発言内容を訂正したが、法相は、「だから、きちんと(入管行政を)やろうと言っている」と言いたいのだろうが、問題の深刻さがまるでわかっていない。 これが海外ならば辞任水準の発言だと思うが、問題発言に甘い日本だから辞任には至らないだろう。ただし、海外からの厳しい批判は避けられず、海外からの圧力から辞任しなければならなくなるかもしれない。この発言は、100名くらいの外国人記者を眼の前にしておこなわれたもので、まさに日本の法務大臣の国際感覚が問われたものと言えよう。その後、官房長官から意見されても、「「アルカイダとされる人物が日本にも入ってきていた」と友人が語ったという点は事実だと強調。「事実を言ってはいかんということですか。だから、きちんと(入管行政を)やろうと言っているんですから」と話した」とのことだが、これは国際問題に発展する可能性がある。
 以下はasahi.comから。

「友人の友人はアルカイダ」 鳩山法相、外国人記者らに
2007年10月29日20時21分


 鳩山法相は29日午後、東京都内での講演でインドネシア・バリ島の爆破テロ事件に言及し、「私の友人の友人がアルカイダ(国際テロ組織)だ。バリ島中心部の爆破事件に絡んでおり、私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた」と発言した。200人以上が犠牲になった02年10月の事件を事前に知っていたとも取れる内容だったが、講演後に「友人に聞いた話で、私が発生前に爆破計画を知っていたということではない」などと発言内容を訂正した。
 講演は日本外国特派員協会の主催で、約100人の外国人記者らが参加。日本政府が16歳以上の外国人から日本入国の際に指紋を採る制度を11月20日に導入することに関し、記者側からその必要性を問われた際、制度の意義を強調する例として事件に触れた。
 発言後、法相は文書でのコメントと記者会見で(1)自分も参加しているチョウ研究の国際的な愛好家グループの友人から「グループの中にアルカイダと思われる者がいて日本にも入ってきていた。爆破事件にも関与していた」という趣旨の話を聞いたことがあり、その友人の話を紹介した(2)アルカイダとされる人物はグループの1人で、グループの少なくとも1人に対して「爆破事件があるかもしれない」との事前の連絡をしたと自分は聞いている、と説明した。
 そのうえで、自分はその人物と友人でもなければ面識もない▽友人の話の真偽は確認していない▽この話を聞いたのは事件の3、4カ月後のこと――などと弁明した。
 釈明会見では「舌足らずで誤解を生む部分があったので明確に訂正したい」と述べた。人物が所属する組織についても「アルカイダと聞いているが、過激派グループに協力をしている人という意味かもしれない。断定的に言える状況にはなかった」と修正した。

 以下は、asahi.comからの続報。

アルカイダ」発言の鳩山法相、官房長官が注意
2007年10月30日12時31分


 町村官房長官は30日午前、鳩山法相と国会内で会い、鳩山氏が講演で「私の友人の友人がアルカイダだ」と語ったことについて「テロリストを日本の法務大臣が知っているという誤った印象を与えたのはたいへん遺憾だ。軽率な発言だ」と口頭で注意した。
     ◇
 鳩山法相は同日、閣議後の記者会見で、福田首相に「色々ご心配をおかけして申し訳ありません」と閣議前に謝罪したことを明らかにした。一方で、「アルカイダとされる人物が日本にも入ってきていた」と友人が語ったという点は事実だと強調。「事実を言ってはいかんということですか。だから、きちんと(入管行政を)やろうと言っているんですから」と話した。

 次は、BBCからの引用。

Japan minister in al-Qaeda claim

Mr Hatoyama supports plans to screen foreigners rigorously
A Japanese politician has attempted to justify plans to fingerprint foreigners by claiming he knows an al-Qaeda member who entered the country illegally.
Justice minister Kunio Hatoyama said the man was a "friend of a friend" who was involved in a bomb attack on Bali.

He produced no evidence to back up his claim, but said it showed the need for stricter checks on overseas visitors.

Later he appeared to backtrack, stressing he had not met the man and could not verify his friend's claims.

'Rights violation'

From 20 November almost all foreign visitors and overseas workers will be photographed and fingerprinted as they enter the country.

The measures have already proved controversial, with Amnesty International labelling the system as discriminatory and "a violation of basic human rights".

But Mr Hatoyama used the story of the al-Qaeda member to argue that the threat of terrorism justified the new measures.

"My friend's friend is a member of al-Qaeda. I have never met him, but I heard that two or three years ago he came to Japan several times," he told a press conference.

"The fact is that such foreign people can easily enter Japan. In terms of security, this is not a preferable situation."

The minister also claimed his friend had warned him of the Bali bombing - although there have been two major terrorist attacks on the Indonesian island in recent years and he did not specify which one he was referring to.

Later, Mr Hatoyama cast doubt on all of these claims, saying he had been "unclear and misleading".

He denied he had been warned of any attack on Bali before it had happened.

"I myself am not a friend of anyone who is thought to be a member of [al-Qaeda] and I don't know them personally. I can't verify the authenticity of what my friend said."

Japanese officials plan to check foreigners' fingerprints against international and domestic crime databases to root out potential terrorists and people with criminal records.

Certain permanent residents, such as ethnic Koreans and Chinese, will be exempt, alongside diplomatic visitors and children.