「NHK新感覚☆キーワードで英会話 イメージでわかる単語帳 (語学シリーズ)」を購入した。
田中茂範氏の次の発言は、重要な点をついていて、その意味で真理である。
英語全体から見れば数は少ない基本語ですが、その基本語を使いこなす力が英語力を支えているのです。つまり、基本語を使い分けつつ使い切る力こそが基本語力であり、これが英語力の基盤になるのです。
たとえば、heart&mindだが、英語教師であれば、heartとmindの違いはわかっているはずだ。
英語では、hearts and mindsのように、よく使われる。
それで、このhearts and mindsを心とよく訳されるのだが、心と言っても、heartは「心臓」を、mindが「頭脳」「頭」「知性」をあらわす。たとえば、control the rate and regularity of the heartbeatといえば、心臓の心拍数をコントロールするということになるし、mind controlといえば、頭をコントロールすることになる。mind controlがなぜ恐いかというと、戦前の日本のように、精神が支配されてしまうからだ。
こうしたことは、英語をしっかり学んだものならば、すでにマスターしているはずなのだが、ビギナーにはむずかしい。
田中茂範氏の「新感覚☆キーワードで英会話」は、こうした基礎語についてきちんと説明がされている。
lookとsee、listenとhear、onのイメージなど、これらはビギナーから中級にかけて、違いを学ぶはずだが、ビギナーが「試験に落ちる」に、dropを誤って使ってみたり、「(面積が)広い」に、wideを使ってみたり、こうした問題は、例を上げるのに事欠かない。
母語である日本語で考えることは、当たり前で、仕方のない話なのだが、外国語を学ぶとは、そうした母語の世界から抜け出し、その外国語の世界に入ることだ。
いわゆる英英辞典を使う頃に、そうした母語の世界から抜け出し、外国語の世界に入り始めるのだが、日本語で書いてあるにもかかわらず、この「新感覚☆キーワードで英会話」を読めば、早期に、そうした段階に入ることができる。
その意味で、良書である本書を英語学習者に薦めたい。