無限の核燃料サイクルは不可能

amamu2012-02-18

 内閣府原子力委員会が、現状では、核燃サイクルで「無限はムリ」との見解を打ち出したと、2月17日の朝日新聞夕刊が報じている。
 核燃料のリサイクルは不可能という識者の見解をこれまで読んだことはあるが、そうした批判的見地からの見解ではなく、リサイクルを原子力政策の柱としてきた内閣府原子力委員会が、無限の核燃料サイクルは不可能という見解に達した意義は大きいだろう。

 原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用する「核燃料サイクル」について、内閣府原子力委員会は現状ではリサイクルは数回だけに限られる、という考えに改めることを決めた。これまで無限にリサイクルできるという前提でコスト試算や議論を行ってきたが、肝心の高速増殖炉の開発は止まったままで、現実的でないことを認めたかっこうだ。
                                (小堀龍之記者)

 記事によれば、16日の小委員会で、ある委員から「現在、無限リサイクルは技術的に成立しない」という意見を受け、委員長代理が無限リサイクル想定から「多重回リサイクル」に変えるとの考えを述べたという。