「バックアップ、菅氏「行政文書でない」 データあっても開示は不必要、桜を見る会で見解」

f:id:amamu:20051228113100j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2019/12/5 5:00)から。

 国の税金を使って首相が主催する「桜を見る会」をめぐり、菅義偉官房長官は4日の記者会見で、共産党議員が名簿の開示を求めた時点でバックアップデータが残っていた可能性を認めたうえで、「行政文書ではない」と発言した。

 招待者名簿をめぐっては、共産党の宮本徹衆院議員が5月9日、国会質疑のために政府に要求したが、提出されなかった。5月21日の衆院財務金融委員会では内閣府幹部は宮本氏の質問に対し、「(名簿は)すでに廃棄させていただいた」と答弁した。

 これまでの政府の説明によると、内閣府は資料要求があった5月9日の午後に名簿を大型シュレッダーで廃棄し、電子データについても5月7~9日に削除したという。

 菅氏は12月4日の会見で、内閣府が招待者名簿の電子データを削除した後、サーバーにバックアップデータが「最大8週間残っていたのではないか」と認めた。宮本氏が資料要求や質問をした時点で名簿データがサーバーに残っていた可能性が高いことになるが、菅氏はバックアップデータについて「一般の職員が取り出せず、業者に頼まなければならない状況にあった」と説明。「行政文書に該当しない」と認識を示した。バックアップデータがあっても職員が電子データを削除した時点で廃棄したとみなしているといい、国会議員の資料請求に応じる必要はなかったとの考えを強調した。

 専門家からはこうした説明を批判する声があがっている。公文書管理委員会委員長代理を務めた三宅弘弁護士は「原本の紙や電子データがなくなった時点で、バックアップデータが法律上の行政文書になる」と指摘。「国会議員から資料要求が来ているのなら、それを出さなければならない義務が発生する」と語った。(安倍龍太郎