時事通信が以下報じている。
衆院は9日夜の本会議で、新党「国民の生活が第一」など野党6党が消費増税関連法案の成立を阻止するため共同提出した内閣不信任決議案を与党などの反対多数で否決した。野田佳彦首相が「政治生命を懸ける」とした消費増税法案は、10日に参院で採決され、成立する。
内閣不信任案は生活のほか、共産、新党きづな、社民、みんな、新党日本が提出。採決は記名投票で行われた。自民、公明両党は8日の首相との党首会談で増税法案の早期成立で合意したため、不信任案には同調しないが、「野田内閣を信任できない」との理由で採決前に退席した。
一方、参院は9日午後の社会保障と税の一体改革特別委員会理事懇談会と議院運営委員会理事会で、増税法案を10日昼すぎの特別委とその後の本会議で採決することを決めた。与党と自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立する運びだ。
「オランダはじめヨーロッパの消費税が、生活必需品に対する低減税率を持ったものだという、2本立ての税制であるということを日本人の大半は知りません」と、リヒテルズ直子さんが、「いま「開国」の時、ニッポンの教育」で語っていた。
「オランダで面白いのは、じゃあ生活必需品は何かという時に水と食べ物だけではないんです。本とか教養、それからキャンプ場、それから休暇に使うホテルでのレストラン、こういうのは低減税率なんです。低減税率を何に適用するかという議論はとりも直さず、人間としての生活に最低限必要なものは何なのか、という議論になるんです。人間らしい幸福な暮らしのためのサービスや消費には税を低くする」とリヒテルズ直子さんは続けて言っていた。
日本では、こうした議論がなぜできないのだろうか。
オランダでは出版物は全部、6%。それから、研修、博物館や動物園などの文化施設使用料、観劇やスポーツ観戦などの娯楽活動、キャンプ場やホテルなど休暇施設使用料やそこでの飲食料なども6%です。普通の消費税は19%ですから13%も低く設定されています。国民が国家や政府を信頼できるのは、声が聞かれ届いていると実感できる、議論への参加が保障されているからなんです。つまり、国家や政府は「自分たち」そのものなんです。
日本では、どうしてこう国民の声が届かないのか。
「いま「開国」の時、ニッポンの教育」の紹介を書いたときに、市民革命期以前と考えると、説明・理解がしやすくなるとレトリックで書いたけれど、やはり市民革命期以前と考えたほうがわかりやすい。たいへん情けないことだが。