「男はつらいよ 寅次郎と殿様」第19作を久しぶりに観た

男はつらいよ 寅次郎と殿様

 「男はつらいよ」のシリーズは全部観ているので、この第19作もブログに書いたと思っていたら、書いていないようだ。
 本作品は、なんといっても殿様の嵐寛壽郎と執事の三木のり平がみどころだ。
 山田洋次監督は、評価すべき素晴らしい監督だが、それは監督の真面目な仕事ぶりに負うところが大きい。
 あたりまえのことだが、黒澤明監督と、山田洋次監督とは、芸風が違う。
 若いときの山田洋次は、小津安二郎のような地味な映画はどうなのか、映画は黒澤明のような活劇でないといけないと考えていたようだ。その山田洋次も年を重ねるごとに松竹の小津の凄さを認識するようになる。同じく黒澤明も小津の凄さを知るようになるところが面白い。
 言いたいことは、山田洋次監督は、器用な監督ではないということだ。だが、映画「息子」のセリフに似ているが、それがどうしたというのだ。
 本作もそうだが、出演する俳優さんに対する山田洋次監督のリスペクトはすごい。
 マドンナは真野響子
 1977年公開。