『噴き出す米への憎悪 シリア首都市民「将来さらに暗く」』

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 以下、朝日新聞デジタル 4/7(金) 20:55配信より。

 米軍がアサド政権軍の基地にミサイル攻撃をした7日(シリア時間)、シリアの首都ダマスカスは金曜日の休日で閑散としていた。それでも記者が街で人々の話を聞くと、ミサイル攻撃に踏み切った米国を憎悪する声が一様に返ってきた。

 古代から東西交流の拠点として栄え、いつもは買い物客やイランなどからの巡礼者でにぎわうダマスカス旧市街を訪ねた。婚約者と散策を楽しんでいた公務員アンマール・マイヤさん(26)は「シリアへの攻撃はテロリストを喜ばせるだけだ」と述べ、米国を激しく非難した。

 シリアは情報統制が厳しく、外国人記者の取材には必ず、情報省の担当者が同行する。今回の取材でも担当者が記者のそばを離れなかった。その一方、インターネットの閲覧やテレビの視聴は自由で、市民は外国メディアの報道に自由に接することができる。

 マイヤさんは「CNNもBBCも見ている。シリアに対する見方が偏っていて悔しい。米国は、証拠がないのにシリア軍が化学兵器を使ったと決めつけ、攻撃した。どこに大義や正義があるんだ」と話した。

 夜勤を終え、カフェで朝食を取っていた看護師シェリーン・アスアドさん(24)とマラハ・ターヘルさん(25)は「私たちも、多くの人々と同様、毎日の生活に疲れている。攻撃でさらに暗い将来になるのかしら。きょう一日を精いっぱい生きるのがやっと」と口をそろえた。今後、米国の大規模な軍事介入につながることが心配だという。

 イラクの首都バグダッドから観光でやってきたというムハンマド・ハサンさん(60)は「米国はイラクで犯した過ちをシリアで繰り返している」と話した。