日大前監督・コーチを除名 関東学連、選手への指示認定

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年5月29日23時02分)

 アメリカンフットボールの日本大と関西学院大の定期戦(6日、東京)で日大選手が関学大選手に悪質なタックルをして負傷させた問題で、日大が所属する関東学生アメフト連盟は29日、東京都内で臨時理事会を開き、日大の内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)前コーチの指示だったと認定し、2人を除名処分とした。除名は同連盟では初の処分で、社員総会で後日正式に決める。

 日大の指導者2人は、会見や関学大への回答書で悪質タックルの指示を否定していたが、関係者への聞き取りの結果、タックルした選手が証言していた井上前コーチの「相手選手がけがして出られなければ日大の得」、内田前監督の「やらなきゃ意味ないよ」といった発言を事実とし、「けがをさせる意図が込められていた」と認定。日大の体質を「監督の言うことは絶対だった」などとし、最も重い除名処分となった。

 また、森琢コーチを資格剝奪(はくだつ)、タックルした選手と、チームとしての日大を今年度の公式試合の出場資格停止処分とすることを決めた。ただ、選手、チームへの処分は今後、反省文の提出や再発防止策の策定、抜本的な改革などを条件に、年度内でも理事会の承認を経て解除される。森コーチについては、タックル指示への直接関与は認められなかったが、指示が出ていた事実を知りながら出場を認めたことが問題視された。いずれの処分も効力は同連盟内に限られる。

 今回の裁定を受け、日大アメフト部の加藤直人部長は「当該選手の一日も早い復帰並びにチーム活動の再開をお許しいただけるように、部を一新して、誠心誠意努めてまいります」などとコメントを出した。また、選手たちも、チーム刷新を誓う声明文を発表し、「部の指導体制も含め生まれ変わったと皆様に認めていただいた時には(中略)他のチームの仲間たちとともにプレーできる機会を、お許しいただければ」とした。

 警視庁は28日、東京都千代田区の日大本部を訪れて関係者から聞き取りを行った。今後、内田前監督らからも事情を聴く方針。

 関東学連には96チームが加盟。この日の理事会では、同連盟の理事ら4人で構成された規律委員会が調査結果を報告した。(吉永岳央)