以下、朝日新聞デジタル版(2018年7月1日20時33分)から。
大阪府北部を震源とする地震から2日で2週間を迎える。小学校のブロック塀が倒れて女児が死亡した事故を機に、全国の学校でブロック塀の安全点検が進んでいる。建築基準法施行令の基準に合わない疑いがあるブロック塀は少なくとも2498校で確認され、今後さらに増える見込みだ。学校の耐震化では校舎などが優先され、塀の危険が見過ごされてきた形だ。撤去や補修に向け、コストが課題になる。
同法施行令はブロック塀について、塀の高さを2・2メートル以下▽高さ1・2メートル超の場合、補強のための控え壁が必要――といった基準を定める。登校中の女児(9)が6月18日に巻き込まれた大阪府高槻市の寿栄(じゅえい)小のブロック塀は高さが3・5メートルで控え壁がなく、市は同法に違反していたと認めた。文部科学省は6月19日に全国の教育委員会などに学校や幼稚園のブロック塀を点検するよう通知。今後、結果を集計する。
朝日新聞は全国47都道府県と20政令指定市、地震で災害救助法が適用された被災13市町(政令指定都市の大阪市を含む)に、基準に合わない疑いがあるブロック塀があると確認した小中学校、高校数を尋ねた。6月29日現在で、31道府県が点検対象とした約1万1千校のうち少なくとも2498校あることがわかった。
兵庫県は点検対象とした1881校(幼稚園含む)のうち563校で確認。埼玉県は1403校のうち352校にのぼった。31道府県の大半はさらに調査を進めているほか、東京や広島など16都県が「調査中」としており、数がさらに増えることは必至だ。
(後略)
(中川竜児、吉村治彦、波多野陽)