「陸上イージス、調査入札を先送り 導入費も膨らむ見通し」

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 以下、4日前の記事だが、朝日新聞デジタル版(2018年7月26日00時25分)から。

 陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画が揺れている。政府は秋田、山口両県への配備を目指すが、地元が反発。防衛省は25日、候補地の地質調査などを行う業者の選定手続きの先送りに追い込まれた。当初、1基800億円としてきた導入費も膨らむ見通しで、小野寺五典防衛相は軌道修正した。

 政府の計画では、秋田市山口県萩市陸上自衛隊演習場に、それぞれ1基を配備する。一般競争入札防衛省が6月21日に公告。今月26日から入札し8月2日に開札する日程だった。

 これに対して、萩市が開札の延期などを小野寺氏に求める要請書を提出。今月25日は、隣接する同県阿武(あぶ)町の花田憲彦町長が大野敬太郎防衛政務官と面会。記者団に「住民もまだ理解がいかない」と述べた。その後、防衛省は入札を9月5〜7日、開札を同12日に遅らせると発表した。

 導入費については、小野寺氏が昨年8月の民放番組で、「(1隻約1700億円とされるイージス艦より)割安感があり、お得だ」と強調。同年11月の参院予算委員会では「一般的な見積もり」としたうえで、1基800億円と答弁した。その後、防衛省は施設整備などを含め1基約1千億円と説明していた。

 ところが、小野寺氏は今月24日の記者会見で、「イージス・アショアがどれくらいの見積もりかを一度も言ったことはない」と発言。約1千億円としてきた従来の見積もりは参考値だったとして、これまでの発言を事実上、撤回した。

 イージス・アショアは本体のほかに、採用が見込まれる米ロッキード・マーチン社製の新型レーダーなど関連装備費もかかるため、防衛省内には、2基で総額5千億円超に跳ね上がるとの指摘もある。

 国民民主党玉木雄一郎共同代表は25日、東京都内で記者団に「どれだけ(費用が)かかるのか十分な説明が国会でされているとは思えない。多額のお金がかかるとなれば、それ相応の説明がなくては国民、有権者、納税者の理解はとても得られない」と述べ、政府の対応を批判した。(藤原慎一