以下、朝日新聞デジタル版(2019/10/31 1:11)から。
2020年度から始まる大学入学共通テストで使われる英語の民間試験について、政府内で延期論が出ていることがわかった。ただ、文部科学省では予定通り実施すべきだという考えが根強いことから、延期されるかどうかは依然不透明な情勢だ。
英語の民間試験活用をめぐっては、萩生田光一文部科学相が24日、BSフジの番組で、「自分の身の丈に合わせてがんばってもらえば」などと発言。教育格差を容認しているなどと批判が集中し、謝罪、撤回に追い込まれた経緯がある。
こうした中、制度の問題点も改めて注目され、野党が延期を求めているだけでなく、与党の一部からも「延期した方がいい」(自民党幹部)との声があがっている。
一方、大学や高校、試験団体も実施に向けて準備を進めている。11月1日には、受験に必要な「共通ID」の申し込みも始まり、実際に延期すれば混乱が予想される。今後、政府は生徒らへの影響などを考慮し、対応を慎重に検討するとみられる。
大学入学共通テストは、主に現在の高校2年生が受験する入試から実施される。英語は民間試験で「読む・聞く・話す・書く」の4技能を評価。7種類の試験が活用される。原則として受験生が高校3年の4~12月に受けた2回までの成績が、国のシステムを通じて出願先の大学に提供され、合否判定などに使われる。