以下、朝日新聞デジタル版(2019/11/2 16:00)から。
暮らしを脅かす気候変動、経済格差。若者を中心に、こうした現状を変えようという世界的なうねりは、「資本主義」という経済システムへの異議申し立てだ……。米国やドイツで学んだ32歳の経済思想家は、こう読み解く。新しい経済のありようを見いだす鍵は、カール・マルクスの「資本論」だとも。どういうことですか。
「今のシステムではだめだ」若者から
――「生態系が崩壊しようとしている」「行動を怠る大人は悪だ」と訴えた16歳の環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの国連でのスピーチが世界で共感を呼んでいます。「グレタさんの演説や活動は、日本では、『環境破壊を憂える少女の勇気ある表明』という文脈で報道されがちですが、そこに込められた強い政治的主張は注目されていません。『大人は無限の経済成長というおとぎ話を繰り返すな』『今のシステムでは解決できないならシステム自体を変えるべきだ』という彼女の発言は、資本主義システムが深刻な異常気象を引き起こしており、経済成長が必須の資本主義のもとでは気候変動問題に対処できないというメッセージなのです」
(後略)
聞き手・高久潤