「市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像」というノンフィクションの中で著者の佐々木実氏が紹介していた映画「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」。
今回、初めて、アメリカ合州国のサブプライムローンの金入商品化とその破綻を描いたドキュメンタリー映画「インサイド・ジョブ」を観た。
「市場」の自由な競争こそ理想の社会をつくりだす原動力であるという新自由主義の考えを国家的な政策理念として採用したアメリカ合州国。同じく新自由主義政策を採用したイギリス・日本。
80年代から90年代にかけて、労働力のコスト削減こそ利潤蓄積の源泉とばかりに、終身雇用や年功序列的賃金体系が攻撃され、「非正規雇用」が、雇用の流動化が若者の日常となってしまった。
能力主義・自己責任・選択の自由が喧伝される中、全体の人々の暮らしが劣化した。「自由」の名のもとに、圧倒的な人々の生きる権利をはじめとする人権が奪われてきた。
これはだましのテクニックである。
そうした騙しの新自由主義的政策を「経済学」「経営学」として後押ししてきたのが御用学者である。アメリカ合州国の大学の経済学者たちが、いかに自らの莫大な利益のために御用学者として働いてきたのか、本作を見れば、よくわかる。
是非、本ドキュメンタリー映画をご覧いただきたい。