国民の暮らしそっちのけの自公政権に票を投じることはできない

 街頭で選挙演説中の安倍元首相にたいする銃撃事件。確実に歴史に残る衝撃的な死亡事件から一夜明けた。こうした言論活動への暴力・制圧を到底許すことはできない。

 例外なく、人は、その生存権が保障されなければならない。例外なく、その市民的権利は擁護されるべきである。基本的人権の中でも、最も重要である生存権。なんぴとたりとも、生存権を奪うことは許されない。悪政の限りをつくしたとしても、安倍元首相も例外ではない。

 先日、アメリカ合州国の銃暴力(gun violence)について触れたが、野蛮きわまりない銃規制については、今回28年ぶりに多少の前進をみたが、銃の所持は、多少の規制をすればよいというものではなく、廃棄・廃止しなければならないものだ。銃をもつ自由がいかに問答無用に人々を殺傷しているか、銃をもつ自由に固執するアメリカ合州国の日常が証明している。銃規制が進まない理由は、銃反対のデモをみればわかるように、銃に反対する市民も少なくないにもかかわらず、銃で利益を得ている圧力団体の支配によるところが大きい。

 これは軍隊の武器でも全くおなじである。敵基地攻撃能力(反撃能力)をもち軍拡が必要という考え方は、銃をもつ自由と重なる。殺される側の要求ではなく、死の商人の要求だ。ふるくは「永遠平和のために」で、抵抗権は認めつつも、戦争を防ぐには、常備軍の全廃と戦時国債反対を強調したエマニュエル・カント。哲学者・芝田進午氏は、「サン-ピエール、ルソーの平和論を念頭におきながら、画期的な平和論を提出したのは、哲学者・I・カント(1724-1804)であった」として、カントの「永遠平和のために」(1795年)には、「あたかも今日のために書かれたのではないかと思われるほど、すぐれた先駆的な平和の思想が展開されている」と、論文「核時代の平和思想」(1984年)で述べている。

 さて、わたしたちの暮らし・経済である。ここにきて急激な物価高騰。そこに年金の減額。さらに円安の追い打ち。

 長期化しているウクライナ侵略戦争の影響はこれからさらに本格化するというのに、さらに円安が進む可能性とさらなる物価高騰が予想され、そのあとは防衛費2倍の軍拡のツケを消費税増税でまかなうのではないかと言われている。現政権与党は日米軍事同盟を土台にしてアメリカの言いなり。ウクライナ情勢も利用して、財源もない中、消費税増税を当て込み、防衛費を2倍にしてしまった。
   参院選が盛り上がらず、選挙後に物価高の深刻さや大問題のインボイス制度に気づく国民が多いとなれば残念でならない。お金を国民の安全・安心・暮らしに使わず軍事費に使うという相変わらずのアベコベ政治が続いている。
   せめて最低賃金を時給1500円に。法人税を引き上げ、消費税を引き下げ5%にすべきではないのか。

    安倍晋三後援会主催による桜前夜祭でのサントリーによる酒の提供・ホテルニューオータニの優遇措置が赤旗スクープで明らかになった。自公政権は全く信用できない。

 故安倍元首相・菅元首相の流れを継承する自公政権は、日本全体をよくしようと努力しているようにはみえない。加計学園問題・森友学園問題。自分のことや、お友達・親族、そして自分に還流してもらえる既得権益にしか興味がないかのようだ。

 国民にはトリクルダウンが期待できると言われていたが、大企業が内部留保をため込むことはあっても、庶民には、シャンパングラスからシャンパンが漏れだすということはなかった。

 超低金利の日本。手数料ばかりとられる銀行にお金を預けておく意味がない。これってほんとうに資本主義なのかという異次元緩和を続ける日本。世界は物価上昇にたいして給料も上がっているのに、物価は上昇しても給料が上がらない日本。

 むかし、経済一流、政治二流と言われた日本。いまや経済も二流となってしまった。

 新自由主義アベノミクスを結局は継承している岸田首相の「あたらしい資本主義」。投資をすすめられても、お金のない者にはそもそも無理な話だが、お金のある人たちは、ここにきての円安で、利回りのよいドル買いやアメリカ合州国株式投資に日本円が流れているといわれる。これでは、ますます円の価値は下り、日本国民全体の経済力は低下し、わたしたちの暮らしがよくなることはないだろう。

 経済とは、経世済民 世をおさめ、民をすくうの意だと聞くが、自公政権とその補完勢力では国民の暮らしを守ることは期待できない。

 消費税は、所得税を払ったうえで支払うという意味で二重課税の、かつ金持ちにも貧乏人にも等しく課税される不公平課税だ。その使途は社会福祉ではなく、法人税の減税分の踏め合わせに使われているのが実態だ。「分配」を言うなら、消費税の減税を経て消費税の廃止が国民的要望といえるだろう。

 自公政権以外が賛成している消費税5%への減税について、自公だけが反対。

 消費税減税、その後の廃止、あるいはすぐ廃止を政策にかかげているのが、社民党共産党・れいわ新選組などである。

 さらに自公政権は、零細事業者いじめのインボイス制度の導入を計画している。

 国民の暮らしそっちのけの自公政権に票を投じることはできない。