日本の教育と市民的権利を守るためには、自公政権と、その補完勢力に票を投じることはできません

 参議院選挙投票日を前にして、自民党の暴言が止まらない。
 高市早苗政務調査会長による「消費税は社会保障に限定されている」というデタラメデマ発言。
 麻生太郎副総裁による「弱い子がいじめられる。強いやつはいじめられない。国も同じ」という弱肉強食社会容認発言。
 茂木敏允幹事長の「消費税減税なら年金3割カット」という脅し。

 先日、「教育と愛国」という映画を観た。

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 その冒頭で、検定を通った道徳教科書からの発問が紹介されていた。
 次の中から正しいものを選べという唖然とさせられる問題。
①    お辞儀をしながら「おはようございます」と言う。
②    まず「おはようございます」と言ってお辞儀をする。
③    お辞儀をしてから「おはようございます」と言う。
 この設問の正解は②の「語先後礼」のあいさつだという。
 こうした呆れる「道徳」が教育現場で、しかも「教科教育」として、まじめにとりあげられている。
 いま、日本の教育はどうなっているのか。ふたたび非科学的な道徳観念を拡散して暗黒政治の歴史に戻そうとするのか。

 映画「教育と愛国」の実態は教師にとってはよく知られるところだが、一般には、あまり知られていないのではないか。
 さて参議院選挙について、テレビなどマスコミはほとんど報道をしない。参議院選挙直前だというのに、モノ言えば唇寒し的なこの静けさはなんだろう。
 ふつうでない状態がふつうになっている空気感…。
 なにかおかしくないか。
 これも、この間、安倍晋三元首相をはじめとする壊憲勢力によるマスコミ支配がすすみ、国民の知る権利を奪われてきたからだろう。
 安倍晋三元首相がウソを連発すること。ほとんどウソしかつかないこと、安倍元首相がかけ声だけということはよく知られている。先日も桜の会前夜祭で、あらたなウソが明らかになった。道徳教科書で、ウソはいけないと教えるのに。これは全く笑えないジョークだ。
 安倍元首相・菅元首相につながる現政権は、政治的・市民的権利を抑圧することに熱心で、政治的・市民的権利の擁護に関心を示すことはない。学問・思想・芸術・良心・信教の自由の権利。政治活動の自由、請願する権利、集会、デモ、結社、表現・出版の自由、政党支持の自由の権利、通信の秘密を保持する権利、プライバシーの権利、法のもとでの平等と自由、身体の自由を束縛されない権利、黙秘権、公正な裁判を受ける権利、批判・反批判・討論の自由の権利に、冷淡どころか、きわめて抑圧的・攻撃的である。

 そうそう。自民党の暴言紹介で忘れていた。
 山際大志郎大臣の「野党の話は何一つ聞かない」という近代民主主義を根本から否定する暴言。結局、国民の声など聞かないということなのだろう。山際大臣はこの暴言を撤回はしていない。

 自公政権は、進歩的か反動的かと問えば、まさに反動的長期腐敗政権と言わざるをえない。まず自民党は、選択的夫婦別姓同性婚に反対だ。また性的少数者(LGBTQ)理解にも消極的。国民的要求とはまるでずれている。資質も問題だ。細田博之衆議院議長の「うちに来ないか」という一連のセクハラ疑惑。吉川元自民党議員の18歳女子大生に4万円渡して飲酒後ホテル滞在など、破廉恥な不祥事も少なくない。

 道徳を口にすらできない倫理的にも恥ずかしい人たちが道徳を口にして、先に紹介したようなどうでもよい下らない教科書内容を子どもたちにおしつけ説教をしているというのが政権与党がつくりあげた今日の日本の教育だ。
 自民党の政治基盤は脆弱化し、すでに公明党を抱き込まないと政権維持ができないところまで来ている。それと、おそらく官房機密費などもふくめ、政権維持のためのカネをふんだんに使う。参政党やその他よくわからない候補者も多数立候補しているが、これも政権にとって好都合なのだろう。
 こうした政治家の関心事は、国民の暮らしではなく、政権維持のため、国民を支配することである。もっといえば国民をいかにだますかに関心がある。教育をイデオロギー注入の道具に変えようとするのもさもありなんというべきだ。
 そうそう。あまりに多すぎて、もうひとつ暴言を忘れていた。

 森喜朗元首相の「(選挙に関心のない有権者は)寝てしまってくれればいい」(2000年)を思い出させてくれる麻生太郎副総裁による「政治に関心を持たなくても生きていけるというのは良い国です」発言。野党共闘によほど恐怖を感じたに違いない。
 自らを激しく批判していた人たちに対して敵・味方に分断するように、「こんな人たちに負けるわけにはいかないんです」(2017年)と街頭演説で叫んだ安倍元首相。これらは、結局のところ、みずからに対する批判意見に耳を傾けないどころか、弾圧し、民主主義社会を破壊し、独裁への道が最善と考えているからに他ならない。
 教育を守り育て発展させるために、そして市民の権利を擁護し、発展させるために、こうした自公政権、そしてその補完勢力である維新・国民民主に、票を投じてはならないことは明白だ。
 教育を守り、市民的権利を守るには、共産党を軸に、社民党・れいわ・立憲民主など、憲法を遵守する政党に投票すべきであろう。
 壊憲勢力2/3の誕生は、国民主権がさらにないがしろにされ、国民が、さまざまな人権の抑圧された暗黒政治の道にふたたび落とし込められることにほかならない。